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最終更新日: 2018.03.30

中国のユニクロ取引先Pacific社における労働環境改善の進捗について

株式会社ファーストリテイリング
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香港を拠点とするNGO、Students & Scholars Against Corporate Misbehaviour(SACOM)が2015年1月11日に公表した報告書などの中で、ユニクロ商品の生産に関わるPacific (PanYu) Textiles Limited(Pacific社)の工場における労働環境に関する問題が指摘されました。これを受けて、弊社は当該工場と共に改善計画を策定し、労働環境の改善を推進してまいりました。さらに、2017年12月、弊社サステナビリティ部社員が当該工場を直接訪問し、従業員インタビューや工場の資料確認を実施し、その後も継続して工場のデータなどを基に、指摘された内容の改善状況の確認を行いました。その結果、以下の表の通り、労働環境の改善が確認できました。

ファーストリテイリンググループはこれからも、サプライチェーン全体の労働環境の改善に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。

指摘内容改善確認事項
当該工場は、有害廃棄物で汚染している。中国政府が3ヶ月に1度実施している排水検査で、2015年7月から2017年8月までの期間、全ての化学物質が法定基準値内でした。
当該工場は、従業員を危険化学物質にさらしている。当該工場は、薬品の管理強化を実施しています。加えて、第三者専門機関による化学品管理・防火安全管理研修を定期的に実施し、従業員への教育を行っています。
当該工場は要求がない限り、従業員にマスクを提供していない。当該工場は、部門ごとに必要とされるマスクや手袋などの防護具の配布手順を策定し、その手順に基づき、従業員に定期的に配布しています。
当該工場では、重機械によるケガが報告されているにもかかわらず、健康安全研修が実施されていない。当該工場は、重機械の操作に関わる従業員に対して、定期的に健康安全研修を実施しています。
当該工場は、従業員に健康診断の結果を提供していない。当該工場は、従業員に健康診断の結果を提供しています。
当該工場では、従業員が住宅積立金に加入できない。当該工場は毎月、全従業員を対象に、住宅積立金制度の説明会を実施しており、加入を希望する従業員は全員加入できるようになっています。また、当該工場は、同制度に加入している従業員の住宅積立金を、政府機関に納めています。
当該工場の基本給は最低賃金であり、生活賃金の半分以下である。当該工場では、基本給(除く残業代)に、生産性ボーナス(出来高に応じたボーナス)を含めた従業員の平均給与額が、最低賃金の約1.4倍となっています。また、当社規定である週60時間勤務した場合の残業代を含めた平均給与額は、最低賃金の約2.8倍となっています。
当該工場では、違法な80-100時間の長時間残業がある。当該工場では労働時間管理を進めており、中期目標として週63時間、長期目標として週60時間(弊社規定)を定めています。中期目標は、すでに従業員全体の約7割で達成しており、長期目標は約3割となっています。弊社は引き続き、週60時間の規定を満たすよう工場に求めると同時に、定期的なモニタリングを通じて改善計画の進捗を確認してまいります。
当該工場の従業員代表は民主的な選挙で選ばれておらず、十分に従業員を代表できていない。当該工場には労働組合があり、労働組合代表の選出は2014年に実施されました。ただし、このときの代表は選挙によってではなく、工場管理者からの推薦によって選出されたことが確認されたため、弊社は2019年5月に行われる次回の選挙で、全組合員による投票を実施するよう要請し、工場側もこれに合意しました。

関連情報
中国のユニクロ取引先縫製工場および素材工場における労働環境に関する指摘について(2015年1月11日)
中国のユニクロ取引先工場における労働環境の改善に向けた弊社行動計画について(2015年1月15日)
取引先工場労働環境改善に向けた新たな取り組みについて(2015年2月18日)
取引先工場労働環境改善に向けた取組みの進捗について(2015年7月31日)
中国のユニクロ取引先Tomwell社における労働環境改善の進捗について(2018年3月22日)

 

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